野球留学の経験と自身の癖球を活かした芯をはずすSFF、通称ヨコボールを持つ苦労人。
とにかく怪我が多く満足に投げられていないため、一軍定着も出来ずにいる。
確かな能力の持ち主だけに怪我を克服すれば一軍ローテ入りも現実的。
呉俊宏
軟式出身で大洋が隠し球として指名した異色投手。
190cmの長身から角度のある球を投げ込むため、打者は打ちづらさを感じるものの、決め球不足でもう一つ開花できずにいる。
何か武器となる球種を身に付ければ貴重な左腕として一軍定着も夢ではない。
後にクローザーとして君臨することとなる豊田だが、この年は1年目。
即戦力の先発として期待されていたが、球の遅さや経験の浅さが仇となり一軍では投げられず。
とは言うものの、実力は高く精神面も脆くはない。しっかりと経験を積んでいけば主力になれる。
1991年には最優秀防御率に輝いた先発投手だが、それ以降は怪我やノイローゼ(イップス)で苦しんでいる。
二軍で修正を試みるも改善せず、ついには一軍登板なしに終わることに。
オフには世紀のトレードでダイエーに移籍することになるが、怪我を克服できるかが焦点となりそうだ。
鈴木哲
大学時代には長嶋一茂と並んでドラフトの超目玉と注目されていたものの、プロ入りを拒否し社会人に進んでいた速球派。
プロ入り後は制球やクイックに苦しみファーム落ちを経験。ストライクは取れるようになったものの、プロ入り前と比べると球速は落ちてしまった。
故障持ちということを考えるとそろそろ正念場。一軍入りを目指す。
長見賢司
1990年にドラフト1位で入団した期待の右腕。
森コーチからカーブを教わり、さらにフォークも習得するなど成長を見せているが、まだまだ荒削り。
制球力不足に加え、対角線に投げられないという弱点もあり一軍登板はまだ遠いか。
北原泰二
昨年サイドスローに転向し、一軍初登板を果たした地元埼玉出身の選手。
横手から投げることで球持ちが改善し、変化球を武器に出来るようになった。
この年は二軍で規定投球回に到達し、徐々にステップアップしている。埼玉の星を目指す。
「工藤二世」と期待されていた左腕だが、なかなか芽が出ず昨年サイドスローに転向。
元々はバネの利いたフォームから145km/hの直球とカーブ、さらに留学で習得したSFFを投じていたが、制球難が克服できず。
向こう気の強さもあり素質は十分。サイド転向で殻を破ることが出来れば貴重な左腕として出番も増えるかもしれないが…
坂本竜一
日本大学鶴ヶ丘高等学校からドラフト5位で入団したルーキー。
高い身体能力を持っているが、まだ高卒1年目。体が出来上がっていないと言わざるを得ない。
しっかりと二軍で体力をつけるところから。
山本勝則
昨年一軍初登板を果たした速球派右腕。
スピードボールの評価は高く、首脳陣の期待も年々上昇していると言えるが、投球が単調になりがち。
制球を磨くか、新たな球種を身に付けて幅広い投球が出来るようになれば一軍定着も見えてくる。
大塚賢一
ダイエー自由契約の後、テスト入団で広島入りしたものの1年でトレードとなり、この年西武に加入。
バネを活かして140km/h近い速球と大きく割れるカーブ、落ちるシュートにスクリューを投げ込むが、球威不足の感は否めない。
まだ24歳ではあるが、既に3球団目。何としてでも結果を残さなければ生き残りは厳しくなってくる。
千原淳弘
和歌山県立日高高等学校中津分校でエースを務め、同校で垣内に続く2人目のプロ入りを果たした右腕。
2年目となるこのシーズンは体作りも重要だが、試合の中で自分の武器を見つけて自信をつけていくことも大事になってくるだろう。
一軍で頭角を現し始めた垣内に続きたい。
1985年の春のセンバツに出場し、その年のドラフト3位で入団した右腕。
高校の頃からのヒジ痛もありなかなか一軍では投げられていないが、地元出身ということもあり期待は大きい。
前年の二軍成績を見て思ったけど、ドロップカーブの変化量は2でもいい気がした。あとは先発適性◎とかケガしにくさFでもよかったかなぁ。引退が近いから難しい塩梅。
高校時代のチームメイトにゴルゴ松本がいる。
精神面に課題こそあるが、最大の武器である「カミソリシュート」は抜群の評価を誇る。
長い間苦しめられているヒジ痛に加え、潮崎や内山といった若手の台頭で出番が減ってきてしまっているが、実力は確か。
ここで奮起して再び一軍のマウンドに返り咲くことが出来るか。